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【新聞記事より】年金 いつから受給?~損得より生活設計を見極める~
2019/04/22
公的年金は、原則として65歳から受給できる。ただ、60~70歳の間なら自由に受給開始の年齢を決められる。65歳より早めるのが「繰り上げ受給」、遅らせるのが「繰り下げ受給」だ。繰り上げや繰り下げをすると、月々の年金額が変わる。65歳からの年金額を基準に、ひと月早めるごとに0.5%ずつ減額され、ひと月遅らせるごとに0.7%ずつ増額される。最も早い60歳から受給すると基準額より30%減り、最も遅い70歳から受給すると42%増える計算だ。厚生労働省によると、平均余命まで生きた時に受給総額が同じになるように、増減率が設定されているという。
では、受け取る総額はどう変わってくるのだろう。平均的な収入(賞与含めた平均月収が約42万8千円)で40年間働いた会社員のケースで考えてみよう。この場合、65歳から受給できる基礎年金と厚生年金の合計は、月約15万6千円(2019年度)だ。60歳に繰り上げると、年金月額は約10万9千円になる。早くもらえるが、受け取る年金の総額は77歳の手前で、65歳から受給した場合に逆転される。一方、70歳からに繰り下げれば、年金月額は約22万2千円になる。もらい始めるのは遅いが、受け取る年金総額は82歳の手前で、65歳から受給した場合を逆転して多くなる。どちらも、いったん逆転した後は、後から受給を始めた方が年金月額が多いぶん、総額の差は開いていく一方になる。仮に90歳まで生きた場合、60歳から受給したケースでは、70歳から受給したケースに比べて、年金総額は1400万円近く少ないことになる。
社会保険労務士でFPの小野さんは「安易に繰り上げを選ぶのは危険。いったん受給を始めると後からは変更できず、減額は一生続くことになるので、慎重に考えるべきです」と注意を呼びかける。
税金や社会保険料の負担もあるので、自分にあった選択ができるよう事前に良く調べましょう!