【新聞記事より】血液1滴で早期発見に期待・下

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【新聞記事より】血液1滴で早期発見に期待・下

2019/11/18 

血液1滴で、13種類ものがんを超早期に診断する技術の開発が進んでおり、来年にも実用化される見通しです。発見の手がかりになるのは「マイクロRNA」です。がん細胞は小胞体「エクソソーム」に包んだマイクロRNAを分泌して情報発信を行い、増殖や転移など、自分に有利な環境を作ろうとします。さらにマイクロRNAには各臓器のがんごとに特徴があります。
国立がん研究センターの研究グループは、同センターに保管されている5万3千名の血液を使い、日本人に多い13種類のがん、胃がん、大腸がん、食道がん、膵臓がん、肝がん、胆道がん、肺がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱がん、神経膠腫、肉腫でマイクロRNAの変動パターンを調べました。その結果、特定のマイクロRNAの組み合わせで、がん患者と正常な人を高い精度で見分けられることが分かりました。例えば乳がんの場合、4つのマイクロRNAの組み合わせによって、感度(がんの人を正しくがんと判断する確率)97%、特異度(がんではない人を正しくがんではないと判定する確率)92%で診断できることが確認されています。卵巣がんでは、10種類のマイクロRNAのの組み合わせで、感度99%、特異度100%という精度が得られています。初期の卵巣がんは症状が出にくいため、進行がんで見つかることが少なくありません。
一方、有効な検査法はほとんどなく、検診も行われていません。しかし、マイクロRNAによる検査では、ステージⅠの患者を95%の精度で判別できました。検査の感度/特異度は、膵臓がんで98%/94%、大腸がん99%/89%、膀胱がん97%/99%、など、高い精度が確認されています。がん検診として有効性が確立している大腸がんの便潜血検査でも感度は70%程度ですから、マイクロRNA検査の感度がいかに高いか分かります。
この検査は、来年にも、一部の人間ドックや健康診断で受診可能となる見込みです。ただし、税金を使った住民検診に組み込むには、死亡率を下げるという証拠が必要で、長期にわたるデータの蓄積が欠かせません。しかし、今後のがん検診のあり方をいっぺんさせる潜在力を感じます。

毎年の健康診断でこの検査が行うことが出来たら、がん患者は多くなるけど、がんの死亡率は減ります。期待が高まりますね!

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